「豊かに何もない場所」
今回訪れた四尾連湖 水明荘のサイトにあったキャッチフレーズです。
初めに言っておくと、このキャンプ場は行くまでの道のりもなかなか険しく、近くにスーパーなどのお店もない、そしてキャンプサイトまわりの設備も充実しているとはいえません。
ただ余計なものが何もないからこそ、純粋に自然の風景とゆったりとしたキャンプの時間を楽しむことのできるキャッチフレーズ通りの場所でした。
人を選ぶキャンプ場だとは思いますが、キャンプではプライベート感や非日常感を大事にしたい筆者としてはとても好みに刺さるところだったため、そんな良さを注意点も合わせて紹介していきたいと思います。
また山梨は富士山や富士五湖など景観豊かなサイクリングコースが豊富にあるスポットのため、キャンプの前後では山中湖サイクリング、本栖湖・朝霧高原サイクリングも楽しんできました。
今回のキャンプ場・立ち寄った場所リスト
今回のキャンプ場や立ち寄った場所の地図はこちらの通り。
1日目は山中湖ICで高速を下り、山中湖を自転車で一周、下道で富士五湖沿いのドライブを楽しみながらキャンプ場にチェックイン。
2日目に本栖湖や朝霧高原、白糸の滝を自転車で巡り、富士山の見える露天風呂に寄って帰宅しました。
四尾連湖 水明荘レポート
基本情報
営業期間 | 通年営業 |
チェックイン | 13:00~ |
チェックアウト | ~11:00 |
サイト数 | フリーサイト |
設備 | トイレ、炊事場、売店 |
レンタル用品 | 調理器具、釣り道具、手漕ぎボート |
予約方法 | 電話予約 |
空き状況確認 | 電話にて確認 |
ゴミ | 持ち帰り |
HP | http://shibirekosms.sub.jp/index.html |
料金
テントサイト | 大人(中学生以上):[平日] 2200円、[週末、休日、繁忙期] 2700円 子供(小学生以上):1100円 小学生未満:無料 (1名分) |
ロッジ | 6600円~ (定員:3名~4名) |
山荘 | 大人(中学生以上):6880円 子供(小学生以上):4400円 小学生未満:2200円 (1名分、いずれも素泊まりの場合) |
デイキャンプ (※平日のみ) | 大人(中学生以上):1650円 子供(小学生以上):550円 小学生未満:無料 (1名分) |
駐車料金 (1日) | 400円 (1泊2日の場合は800円かかります) |
薪 | 600円 |
サイトの様子
いずれも湖畔沿いにありますが、サイトは大きく二種類に分かれています。
1つは木々に囲まれ小さめのスペースで区切られている林間サイト。
ゆるやかな段差状になっており奥のサイトの方が高くなっていますが、サイト内では気になるほどの傾斜はありませんでした。
またそれなりの数の木が生えているものの、低い位置には枝や葉は生えておらず景観の邪魔になるといった感じは少なかったです。
こちらのサイトのオススメポイントとしては日陰が多く夏でも涼しげな点と、程よい間隔で木が生えているためハンモックをつるすことも可能な点です。
またプライベート感を大事にしたいという点もあり筆者はこちらのサイトを選びました。
もう1つは木々の少ない開けたフリーサイト。
地面は芝や土になっており、大きめの石や気になるほどの傾斜はなさそうでした。
またこちらでは何個か囲炉裏のような焚き火場所が設置されており、直火で焚き火を行うことが可能です。
こちらのサイトは木々が少ない分、より見晴らしの良い四尾連湖の景色が観れるのがオススメポイントで、また林間サイト側ではタープなどを広げるのは難しいため、人数が多い場合や大き目のギアを利用する場合はこちらのサイトを利用することになるかと思います。
設備
四尾連湖沿いにあるこのキャンプ場ですが、管理棟・駐車場エリアとキャンプサイトエリアがちょうど向かい側にある構造になっています。
(1周1kmほどの湖のため、エリア間の道のりは500~600mほど)
キャンプサイト側にある設備は炊事場、トイレ(ボットン式)のみ。
管理棟・駐車場側には売店、トイレ(水洗)がある他、チャイやコーヒー、カレーなどをいただくことのできるテラス席つきのカフェが併設されています。
荷物の運搬のための台車も管理棟にて無料で借りることができます。
また貸しボートに載せて対岸のキャンプサイトまで荷物を運ぶこともできるようなので興味のある方はそちらもぜひ。
カフェのテラス席からの景色。
こちらはキャンプ客でなくとも利用可能なため、日帰りで訪れてみるのもありだと思いました。
特徴・魅力
単純な景色の良さだけではなく、その風景との一体感の高い落ち着いた雰囲気がこのキャンプ場の良いところです。
四尾連湖は1周1kmほどの小さな湖ですが、鏡のような落ち着いた水面が非常に綺麗で、周りの豊かな木々と合わさり素晴らしい景色を観ることができました。
キャンプサイトやそこまでの道は最低限の設備でその風景にうまく溶け込んでおり、穏やかな自然の中でまったりとリラックスした時間を過ごすことができました。
キャンプサイトは湖畔沿い近くに配置されており、四尾連湖を間近に眺めながらキャンプをすることができます。
また湖畔沿いに生えている桜の風景も非常に良かったです。
特に管理棟付近には多くの桜が咲いており、湖畔沿いの山荘の雰囲気と相まって非常に趣のある風景となっていました。
標高がある程度高く気温が低めなため、多少遅い時期まで桜を観ることができるのも嬉しいところ。
注意点
✓ キャンプ場入り口の道が非常に狭い
県道からキャンプ場までの道は木に囲まれた非常に道幅の狭いものになっています。車のすれ違いは行えず、バックで引き返すことも難しいため、サイトにも記載のある通り第二駐車場で一時停止してキャンプ場の方へ対向車確認の電話をするようにしましょう。
✓ キャンプサイト側にあるトイレはボットン式のみ
あまり設備の綺麗さにこだわりがない人でも、トイレが水洗か否かは気になるところだと思います。実際、筆者もボットン式には少し抵抗があり結局一度も利用しませんでした。
とはいえ管理棟側には綺麗な水洗トイレがあるため、トイレまでの道のりが少し遠い(約500m程度)くらいで考えればそこまで気にはなりませんでした。
✓ キャンプサイトへの車の乗り入れは不可
駐車場・管理棟からキャンプサイトへの道は湖畔沿いの歩道のみで、荷物の運搬の際も含め車の乗り入れはできません。
管理棟にて台車が無料で借りられるのでそちらで運搬が可能ですが、荷物の多い方は何度も往復する必要があるのでご注意ください。
✓ 湖畔沿いの歩道は道細め・柵なしのため夜間や運搬の際は注意
管理棟からキャンプサイトへの道は湖の淵沿いにあり柵なども特にないため、道を踏み外すと湖の中に落ちます。昼間に道を踏み外すほどの危ない道ではないですが、日が落ちると真っ暗になるので必ずライトを持ち歩くようにしましょう。
またある程度道の凹凸もあるので運搬の際は詰め込みすぎて荷物を落とさないようにご注意を。
周辺スポット
本栖湖
富士五湖の一つであり、千円札の裏側にも描かれている風景のスポットがあることでも有名な湖。
湖沿いにぐるっと車道が敷かれており、車や自転車で一周回ることができます。(冬季は一部の湖畔道が通行止めになっていることもあるため注意)
富士山の見えるスポットはもちろん、それ以外のスポットも眺めが良く、車通りも少ないためドライブ・ツーリングコースにおすすめです。
ただし意外と道のアップダウンがあるため自転車で回る際にはお気をつけを。
白糸の滝
幅150mの広さで白い絹糸のように流れる水が特徴的な富士宮市の名瀑。
幅広い自然の壁からしみ出すように静かに流れる様が印象的で、華厳の滝などの迫力のある滝とはまた違った、繊細な美しさといった感じでした。
軽井沢など同じ名前の滝がいくつかある白糸の滝ですが、こちらも有名な観光スポット。混んで入れないといったほどではないもののそれなりに人が多いため、静かな雰囲気で楽しみたいといった方は朝など時間を少し外していくのがおすすめです。
田貫湖
富士山の西側、朝霧高原の中に位置する湖。
豊かな自然に囲まれており、時期によって湖や富士山の景観と一緒に桜や紅葉を楽しむことができます。
周囲にはキャンプ場もあり、ボートやハイキングなど様々なレジャーを楽しむこともできます。
筆者が訪れた日も釣りやサイクリングを楽しむ人を多く見かけました。
ここから見る富士山も絶景で、冬の凍った湖面に映る逆さ富士や、富士山の頂上に太陽が昇るダイヤモンド富士でも有名な場所となっています。
あさぎりフードパーク
朝霧高原の中にあり、道の駅・キャンプ場・レストラン・イベント広場・牛乳工房など様々な施設が併設されているエリア。
筆者が訪れた日はイベント広場で食べ物の屋台や雑貨屋など様々な出店がやっており、多くの人で賑わっていました。
広場からは富士山も見えて眺めも抜群です。
道の駅以外にも牛乳工房や酒蔵、菓子工房、お茶工房などこの地ならではの物を買える店が多くあり、お土産選びにも最適な場所でした。
上の写真はエリア内の『ビュッフェレストラン ふじさん』で食べたバイキング形式のご飯。
写真以外にも地元の食材を使った豊富なバリュエーションのメニューがあり、それらが食べ放題でいただけるためサイクリングでカロリーを消費したお腹には最適のお店でした。
富士眺望の湯 ゆらり
道の駅なるさわに併設している日帰り温泉施設。
露天風呂から見える雄大な富士山の景色が一番のおすすめポイントです。
筆者が富士五湖周辺を訪れた際は定番で利用させてもらっており、残念ながら写真を撮った日は曇っていたのですが晴天の日に露天風呂につかりながら観る景色は爽快感抜群です。
露天風呂以外にも洞窟風呂や蒸し風呂、炭酸泉、香り風呂、サウナなど風呂の種類も豊富にあり温泉好きの人にもおすすめです。
貸バスタオル・フェイスタオルも入浴料金の中に含まれており、荷物を減らすことができるのも嬉しいところ。
詳しい情報はこちらのHPから。
https://www.fuji-yurari.jp/
山中湖
富士山の東側に位置しており、富士五湖の中で最も大きい面積の湖。
周囲には食事処やお土産屋、キャンプ場などが多くあり、山中湖ICから降りてすぐの立地もあり富士五湖の中でも特に観光地として人気の高いスポットです。
湖畔沿いにぐるっとサイクリングロードがあり(一部一般道を経由しますが..)自転車で一周回ることができます。
周辺には名物のほうとうが食べれるお店が点在しているので来た際にはぜひ一度食べてみることをおすすめします。
写真は『庄ヤ』でいただいたほうとうと馬刺し。モッチリとした麺に具材が溶け込んでとろみのある風味豊かなスープが非常によくからみ、さっぱりとした馬刺しともマッチして非常に美味でした。
自転車コース
富士宮、朝霧高原周遊コース(本栖湖~白糸の滝~田貫湖)
本栖湖から出発し、あさぎりフードパーク、白糸の滝、田貫湖を経由してまた本栖湖に戻ってくる距離61.4km、獲得標高968mのコースです。
このコースの見どころは随所で観ることのできる様々な様子の富士山。
筆者は強い存在感のある富士山のあの景色が大好きなので、高原や湖、林の中からなど様々な場所で観れる富士山でとてもテンションが高まりました。
本栖湖や田貫湖、白糸の滝などの見どころスポットもあり、澄んだ空気の中ひらけた高原を走り抜けるところも爽快感抜群です。
車通りは基本的に少なく、路面の状態も一部荒れている部分はあるものの未舗装の場所はありません。
ただ標高920mの本栖湖から標高430mほどの白糸の滝周辺までの往復になるので、アップダウンがそれなりにあります。勾配のきつい部分は少ないですが、長い上りが続くため体力は必要なコースとなっています。
ご飯は周辺スポットで紹介したあさぎりフードパークがおすすめ。
行きも帰りも経由するため、好きなタイミングで立ち寄ることができます。
山中湖一周コース
山中湖を一周する距離13.3km、獲得標高107mのコース。
一部一般道を経由するものの基本的には湖畔沿いのサイクリングロードを走っていくコースです。
路面の状態はきれいで走りやすく、湖畔沿いを走っていくだけなので道もわかりやすくなっています。(一般道の部分は青いガイドラインあり)
本栖湖などと異なり勾配はほとんどないため、初心者でも完走しやすいコースといった感じでした。
ただ山中湖は富士五湖の中で最も標高が高く1000m近くあるため、寒さ対策には注意して走るようにしましょう。
山名湖周辺には名物のほうとうなど地元のグルメが食べられるお店がいくつもあるので、走り終わった後はそちらに寄っていくのもおすすめです。
コースマップ
まとめ
四尾連湖 水明荘は、自然豊かな空気の中で落ちついた時間の過ごせるとても良いキャンプ場でした。
アウトドアはどうしてもインドアに比べると不便なところがあるのが当たり前で、それでもわざわざキャンプしにいくのはその不便さも含めて楽しむことができるからだと思います。
こちらのキャンプ場はまさにそれを感じさせてくれる場所で、設備の整った他のキャンプ場と比べると不便さはあるものの、それもひっくるめて自然な雰囲気を楽しむことのできる場所でした。
(個人的には、不便さが楽しむことができる範囲に絶妙に収まっているところがこのキャンプ場の素晴らしいところだと思います…)
サイクリングは山中湖の風景を眺めながらまったりと走ることのできるお手軽目なコースと、本栖湖や朝霧高原の絶景スポットを巡りながらアップダウンの多い道のりを行く走りごたえのあるコースでした。
富士山周辺は他にも景色が良く走りごたえのあるコースがたくさんあるので、色々走りにいってどんどん紹介していきたいですね。
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